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    2010

06.27

« 主夫のお休みタイム♪ »

「ふう…。」
時計は16時を回っていた。
洗濯物OK、風呂洗いOK、掃除OK…夕食の用意…まだ良い。
僕はソファーにもたれかかり、コーヒーを飲んで一息つく。
詞は仕事、つばさは学校と部活で忙しい
この時間が至福の時だ。
テレビでは夕方のワイドショーをやっている。
「あ、そうだ夕飯のメニュー何にしようかな?」
唐揚げか?いや、親子丼でもいいかな?
うーん難しいな…。
あれ、確か玉ねぎなかったっけ?
じゃあ、唐揚げか。
それと、みそ汁とサラダ…。それでいいかな。
さっきからワイドショーはいつものことながら有名人の結婚離婚、スキャンダルとか僕らの生活には全く関係のないことばかりを報道してはスタジオのお偉方があーだこーだ話している。
嫌気がさしてチャンネルを変える。
変えたチャンネルでは最近始まった放送の再放送が始まっている。まあ、そのドラマも前評判が相当悪くその評判通り視聴率が低空飛行していた。
そんなドラマを見る気がないのでまた変える。
さて、次は…。どうやらスポーツ特集をやっているようだった。
「期待の高校生ランナー橘 つばささんです」
ブーッ!
思わず飲んでいたコーヒーを吹いてしまった。
確かにつばさは高校新記録を出したが自分の中ではそこまでは特集されるとは思っていなかった。
しかも、つばさが高校にテレビが来たなんて全く言わなかったから予想さえしなかった。
急いで録画ボタンを押して録画をする。
これは永久保存だな。
DVDに保存して、1枚じゃ不安だから3枚くらい…。いや5枚は…。
こうした一連の動きを傍から見たらおそらくは「親バカ」だといわれるんだろうな
そんなことは気にしない。だって自分の娘なんだから過保護だっていいじゃん。
詞に電話…。あ、仕事中か。
つばさも…学校だ。
仕方なくメールを送ることにした。

放送が終わり、急いで外出の準備をする。
さすがに全国ネットで映ってるんだから何かお祝いしないとな…。
スリッパのまま近所のスーパーに急いで向かう。
エントランスを出たあたりで急に携帯が鳴る。
液晶には「棚町 薫」という文字が…。
「もしもし」
「すごいじゃーん!」
とブブゼラ並の騒音が聞こえる。
いったいこの女(ひと)はどこからこんな音が出せるのかと思う。
「薫か…。心臓止まるかと思ったよ…。」
少し間をおいて
「つばさちゃん、テレビに出てんじゃん!?」
「ああ、その話か。」
「なんで教えてくれなかったのよ。テレビに出ること。」
「いや…。実際僕も知らなかったんだよ」
「あれ、まさか嫌われてる?」
「そんなことはない!」
一応自身はないが否定はしておく。
最近オヤジ臭いとかは言われてるが…。
「まあ、その自信がいつまで続くか楽しみだわ…」
「くっ」
「で、なんでだと思うの?」
「いや、つばさああいうのを一番嫌うんだよ。人に注目されるのが…」
「ふーん」
「まあ、そういうことだな」
「正月はこっちに連れてきなさいよ。私たちのヒーローなんだから」
「一応、連れてくるようには言うけどわかんないよ。あとちなみにヒーローじゃないだろ、たぶんヒロインだ」
「まあ、細かいところわきにしないで」
「あと、今のうちにサイン頂戴ね。」
「え!?」
「ふふふ、価値が上がるからね」
「なんか言った?」
「いやなんでも」
電話のむこうから棚町さーんと呼ぶ声がする。
「じゃあ、だれか呼んでるから」
「じゃあ」
そう言って話しているうちにスーパーの前に着く、
今日の晩飯はないがいいかな。
何しようかな。
また携帯が鳴る
2件同時だ。
まあ、もちろん誰からかは分かっている。
一件目は詞から
「え!?そうなの?驚いた。帰ったら録画してあるもの見るね。今日は早く帰ります。」
二件目は話題の渦中から
「よく見つけたね。それに驚きだわ。これからも陸上に頑張っていきますので応援よろしく!あと晩御飯はすき焼きで!」
ふたりとも短い文章ながら重要なことをしっかりと挟んでくる
じゃあ、すき焼きにするかな。
ああ、財布大丈夫かな…。
そんな主夫のお休みタイムであったとさ…。


というわけで、終了。
生存確認という意味合いの強いこの作品は、一か月前に大体は完成していたもののお蔵入りしていた作品を構成しなおして投稿しました。

橘さんはきっと親バカになるんだろうな…。
と思って書きました。
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    2010

05.20

« 人生見取り図(目次) »

さてさて、アマガミSSのもくじページです。
作品は時系列順で表示されています。
ちなみに、純は主人公、詞は橘(旧姓絢辻)詞、つはつばさ(二人の娘。本ブログオリジナル)です。
名前の横に書いてあるのは年齢です。


(純、詞 17)12月、付き合い始める(ナカヨシED)


(純、詞 18)3月 輝日東高校卒業


(純、詞 18)4月 大学入学


(純、詞 21)7月 結婚、同棲の開始


(純、詞 23)1月 詞、つばさを妊娠


(純、詞 23)3月 純一卒業


(純、詞 24、つ 0)12月、つばさを出産


(純、26 詞27、つ 2)10月 詞倒れる
               純一主夫になる



(純、28、詞28、つ4)12月 同窓会
              ■思い出訪ねて(別サイト)


その他■幸せの・・・

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    2010

05.16

« 幸せの・・・ »


二人は大学三年の時に結婚した。別に子供ができたわけでもなく何か結婚しなければ解決できない重要な問題が起きたわけでもない。ただ付き合ってるお互いが区切りが必要だと気付いたからだ。もちろんそんなに軽いことではないことではないのかということは重々承知していた。
もう1年待つことはないのか?と周りからは言われたが、やはり今しかないと思ったのだ。お互いがそういう気持ちを持った今しかない・・・と。

彼の両親はあっさりと認めてくれた。自分たちが決めることでもう、私たちのとやかく言うことではないと。
ところが私の両親には猛反対された。当然の話なのはわかっている。でも、彼らは私たちのことを思って反対しているわけではないことぐらいわかっていた。保身のため、世間体のため、すべては自分たちのため、自分たちの築き上げた生活を崩さんがための反対だった。結局は私の両親とは絶縁状態になった。

こうして私たちは一緒になった。式はお互い大学が忙しいという理由でせず、籍を入れることだけにした。お互い別々のところに暮らしていたがその籍を入れた日から同棲を始めた。
その頃の私たちは全くお金がなかった。そのため新居は六畳一間の狭いアパートであった。そのアパートは築50年を過ぎており、隙間風は吹くし、雨漏りもする。更には壁が薄く隣からティッシュの取る音さえ聞こえる(まあ、音が漏れてしまうことで小恥ずかしいことは多々あった。)そんなぼろいアパートであった。
でも、二人にしては十分だった。たとえ風呂がなくても銭湯があるし、隙間風が吹いてもお互いが温め合えればいい。
あのアパートでの日々は夢をかなえようと必死に頑張る二人が輝いていた日々なんだと今は思う。

その1年後彼は第一志望の職種ではなかったけれども就職し、暮らし向きはよくなった。
私は医者になるためにまだ大学に通っていた。その時からお互いが忙しくなり二人でご飯を食べることも、銭湯へ行くことも、二人で温め合うことも少なくなっていった。
しかも、生活習慣も乱れていた。今思えば少しずつだけれども歯車が狂い始めていたのかもしれない・・・。

そして私は妊娠をした。子供ができたことには私にも彼にも喜ばしいことではあったけれども大学は1年休学しなければならない。
出産までの間は非常に穏やかな時間を過ごしていたと思う。彼とは毎日話ができるしご飯も食べれる。そういった毎日が続ければ・・・。そう・・・願っていた。
出産後、勉学、育児、家事の3立をしていかなければならなくなって、元に戻りつつあった歯車もまた狂いだした。当時は彼に手伝ってもらおうという気は全くなかった。(今では彼には手伝ってもらうことは手伝ってもらいそうでなければ自分でやっている)それは自分のプライドが許さなかったこともあるだろうし、彼が私たちを食べさせるために結構無理しているというところを見ていたからであろう。その頑張り応えないと・・・。という焦りひとつにあった。

しかし、この狂っていた歯車も限界に達し、音を立てずに壊れた。

その日はあいにくの雨だった。
いつもなら駅まで歩いていたが雨のために彼に送ってもらっていた。

朝から体がだるくフラフラしていた。彼は何度も休めと言ってくれたけれどもその日は大事な用事がった。
つばさを保育園にあずけて駅に向かう。
車から降りたというところまでは記憶にある、彼の話によるとそのあとすぐに倒れたらしい幸い駅前だったので総合病院が近くにあり一命を取り留めたらしい。万が一倒れたところが田んぼの真ん中だったりすると命はなかったらしい。

気がつけばベッドの上。彼がずっと心配そうな顔で見ていた。
彼はほっとした顔でこちらを見ていた。
二日も寝ていたらしい。
医者ははっきりとした病名を言わなかった。いくつかの病名を候補としては挙げていたが・・・。
ただ、医者は今のままでは学問を進めることはできない。と言われた。
私がやめるべきなんだろうか?そう心に問いかけ続けた。
やっぱり結論はやめるということだった。
それが一番ベストなんだと…。

彼は3日間顔を出さなかった。何か考えることでもあるのだろうか、体調でも崩したのだろうか…彼のことを思うとなんだか寂しくなる。やっぱり自分は孤独なんだと…。
彼はスーツ姿で見舞いにやってきた。
彼の口から衝撃的な言葉が発せられた
――仕事を辞める
と。
気が付いたら彼の頬をひっぱたいていた。今までにない力で、今までにないぐらい長く。
しかも何考えてるのって怒鳴っていた。
6人部屋の他の患者が驚いてこちらを見ていた。
ただ彼はもう決めた。という。、詞が医者になるまでは残業のない会社に就職するといった。生活は少し苦しくなるけれどすべては詞が夢をかなえるため、これがベストだと考えたそうだ。
だけど今すぐ決めなくていいと付け加えて言ってくれた。


1週間後退院したが彼は答えを求めようとしなかった。
快気祝いとして彼はなれない包丁さばきで手料理を作ってくれた。
カレーや肉じゃがなどいもばっかりの料理でしかも皮がうまく剥けてないところがあったけれどおいしかった。

そして最後に彼は卵焼きを出してきた。
私の入院中何度も練習したという。
少し焦げてるんだけど・・・。と彼は笑う。
彼の言ってる通り卵焼きは焦げていた。
でも、泣いた。なぜか、泣いた。卵焼きで泣いたことはなかった。

彼が支えてくれるという実感があったのかもしれない。

どうしたの?とそばで心配する彼をよそに食べながらわんわん泣く。

彼はますます不安そうな顔をする。

自分のためじゃない。自分と彼のために…。

私は一人じゃない、彼と一緒に夢をかなえよう。







っとこんな感じかな・・・。と手帳に書き留める。

「詞、ご飯だよ・・・って電気つけたほうがいいぞ。目が悪くなる」

エプロン姿の彼が言う。

「はいはい」

「ママ―あのね私、卵焼き作ったのー。」

「へえ、それは楽しみだね」

「やっぱり、つばさはセンスがあるよ。一回教えただけですぐ作れたんだ」

「ははは」

「それじゃあ、行きますか」

彼と出会ってから10年。今思えば、いろいろなことがあったけれど今は幸せだと自信を持って言える。

この幸せが10年、20年と続きますように。






というわけで単発終了です。

これは僕の中ではナカヨシED→思い出訪ねて の間の補完のつもりで書きました。

以後、絢辻SSはこちらで統一させていただきます。
向こうのブログは主に薫とか薫とか薫とかをメインに進めていきたいつもりですが…。
まあ、今進めている二つのシリーズが終わればそういう風にしていきたいです。

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    2010

05.15

« 主夫としてのある日 »

記念すべき第一回は主夫としてのある日という題でお送りします。
まあ、別のサイトで上げたものをタイトル改変でこちらに上げたものなのですが・・・。


いつもの時間に目が覚める

主夫業をやってると、体が不思議と慣れてしまっていつもの時間に目が覚めてしまう。

「あ、もう6時か起きなきゃな」

隣で寝ている詞を起こさないようにそっとベットから起きる。

洗面所で歯を磨いて顔を洗って・・・。と、いつものように身支度をする。

「案外、慣れるとこの生活もきつくないな・・・。」

エプロンを着て、台所に入る。

家を決めるときに僕は台所にこだわった。というか、これが決め手だった。

「さて、弁当の準備を・・・」

つい最近までは詞は外食が多かったがそれでは健康に良くないということで最近では弁当を作ってあげている。

「ウィンナーはたこさんでいいか」

慣れた手つきで弁当を作っていく。

赤、黄、緑・・・それぞれの色の食べ物を一品ずつ入れるよう、バランスには気をつけている。

「さて次は・・・」

朝食の準備に取り掛かる。

昨日用意しておいたスープを冷蔵庫から出して火にかける。

それで、パンを・・・

ふと時計を見る

「あ、もう7時30分か」

詞を起こさないとな・・・。

「詞、朝だよ起きて」

カーテンを開けて詞を起こす。

『もうちょっと寝かせて・・・』

「ほら、早く起きて7時30分だよ。」

ボカッ

寝返った拍子に詞の手が僕の顔面に当たる。

「痛っ!」

「詞の寝顔もかわいいな…」

『何か言った?』

「へ!?あ、おはよう」

詞起きてたのか・・・。

「もう7時30分だし準備始めないと・・・。」

『そうね。』

そういってリビングに移動する。



コーヒーメーカーであらかじめ作って置いたコーヒーをコップに注ぐ

「はいコーヒー」

『ありがと』

「もう少しでパン焼けるしよ」

といった矢先にチーンとトースターが鳴る。

今日は運よく黒こげではなかった。

黒こげになると詞がご機嫌斜めになるからな。・・・セーフ

「はいどうぞ」

そういってパンを皿にのせて出す。

「弁当ここに置いとくよ」

『うん』

「そうそう、日曜日空いてたよね」

『うん、それがどうしたの?』

「同窓会だってさ輝日東高校の」

といいつつ、往復はがきを渡す

『へー、そうだったわね』

「うん、4年振りだったっけか」

『4年か・・・4年前はみんなほとんど独身だったよね。』

「確かに、夫婦は僕らぐらいだったし。そうそう、それで梅原にひがまれてたっけ・・・」

『でも、その梅原君も結婚したんだよね』

「まさか、香苗さんとはね・・・結婚相手」

『ねえ・・・しかも、まさかあなたが主夫になってるとは思ってもないでしょうね』

「ははは・・・。そうだね、みんな元気にしてるかなあ」

「そうね・・・」




朝食を食べるとすぐに出かけられるように準備していたカバンを渡す

「はい、一応いるもの入れておいたし。」

「ありがと」

『じゃあ、いってくるね』

「携帯持った?」

『うん』

「財布もった?」

『うん』

「無理しないようにね」

『もーいちいち・・・』

「いいじゃないか」

『行ってきますのキスは?』

「え!?いつもそんなことしてないよね」

『してないよ、でも今日はしたいの別に理由なんて・・・』

僕は詞の唇にキスをする。

それは一瞬のはずなのに1時間も2時間もしてるように長く感じられた。

『じゃあ、行ってきます』

「いってらっしゃい」

さて、ゴミ出しでも行くか・・・。

また忙しい一日が始まるぞー主夫業は大変だー!



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